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シンガポール航空の強さに迫る 驚異の機材計画とは

シンガポール航空の機材計画について他にはない戦略を見つけましたので掘り下げてみました。成功している理由が分かった気がします。まずは、簡単にシンガポール航空の現状から。

 

シンガポール航空について

1947年に設立。シンガポール政府が所有する投資会社『テマセク・ホールディングスが約54%を出資している。 

ここ2013年から3年のシンガポール航空グループ業績です。HPより引用しました。(単位はシンガポールドル)ドル80円で計算すると売上は約1.2兆円であり、
ANAの連結ベース1.7兆円より少ないですが、それなりの規模であることが分かります。

シンガポール航空の業績

次に財務状況。資産と負債の比率を示したものですが、負債の割合が低く、相当健全な会社であることが伺えます。*単位は100万シンガポールドル。 

2015/9/30

SQバランスシート

強さの秘密その1 機材の機種

シンガポール航空の2016年1月現在の保有機材をウィキペディアの数字を参考に算出しました。全て中距離以上の機種と言うことが分かります。

SQ保有機材数
現在の飛行の主流はA320シリーズに代表される小型機です。(*座席数150~180程度)過去5年間のエアバス社の受注数です。A320時代と言って良いでしょう。併せて、A380の受注数の急激に減少していることからも小型機へシフトしていることが分かります。

A320受注状況

例えば、シンガポールホーチミン2時間の路線でも惜しみなく中型機のA330を投入しています。もちろん、重要があってのことです。
SQA330路線

その背景にあるシンガポール・チャンギ国際空港(SIN)の存在を触れない訳にはいかないでしょう。人口530万人のシンガポールに毎年1200万人の観光客が訪れ、5500万人の旅客数を誇るチャンギ空港東南アジアの中心に位置する利便性を最大限利用した結果とも言えると思います。いわゆるハブ空港戦略ですね。政府一体となった戦略ではないでしょうか。

チャンギ空港

 

強さの秘密その2 保有ではなくリース

シンガポール航空は中型機以上を積極的に導入する中で多くをリース契約しそれを平均7年で返却しています。つまり常に新しい機材を導入し新しい価値を提供していく戦略を取っています。ちなみにANAJALは機材を購入し20年ほど使用すると言われていますので、いかに短い期間かが分かります。またリースの期間を定めることで将来の機材計画を立てやすいこともあるかと思います。
購入又はリースの割合は分かりませんが、『fly team』のHPを見ると早ければ5年で他の航空会社へ所有が移っていますので、リースは相当の割合であることは間違いないでしょう。2007年以降導入のA380は2016年3月現在まだ保有していますので、A380に関しては違った戦略かと思います。

リースの期間が短い為、通常より高いリース料を払っていることが想像できますが、決算を見る限りうまくペイできていると思いますし、リース会社にとっても高いリース料の後は別の航空会社へ再リース又は売却できますので、win-winの関係で成り立っていると思います。

一方、LCC各社は殆どがリースですが、こちらは資金面、与信の問題等によりリース契約せざるを得ないと言う方が正解でしょう。

参考までにANAの機材一覧です。(ANA HPより)
8割購入2割がリースとなっています。ANAは機材を購入し長く使用していく戦略を取っています。どちらが良い悪いではなく『戦略の違い』でしょうか。ANAに乗るとちょっと古いなと思うことがありますが、シンガポール航空だとなさそうですね。

"ANA機材保有数

1,2を纏めると、中型機以上の機材を平均7年の短い期間で回転させ顧客に新しい価値を提供し続けている、そんな感じでしょうか。

 

強さの秘密その3 サービス

機材について触れて来ましたが、やはりサービスに触れないことにはいかないでしょう。2016年3月現在、世界で7社しかない5つ星を獲得しています。世界最高峰のサービスを提供しているからこそ前述の機材計画が生きる、と思います。
例えばここ最近の新サービスとして、
①機内エンターテイメントシステムと連動したタブレット端末用アプリ「SingaporeAir」の提供を開始(A350-900のみ稼働)
②プレミアムエコノミーのシートを積極的に導入
があり、こうしたサービスは積極的な機材の入れ替えによるものが大きいと思います。時代の変化に対応している証拠でしょう。

こちらに5スターについてはこちら。

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