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サーチャージ廃止の次に来るものは

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シンガポールケロシン(原油を基にした燃料)×ドル円平均=6,000円を下回った場合、サーチャージ廃止の目安とされました。そして基準を下回ったことでANAJAL共に2016年4月発券分より廃止を決定しました。

2016年3月1日現在、上記乗数は5,060円と廃止の目安を17%下回っています。そこで、サーチャージのマイナス(運賃値下げ)はありえるか? 考えてみました。

 

サーチャージの歴史 

サーチャージとは。

原油価格の高騰に伴い、企業努力で吸収しきれない航空燃料費用の一部をお客様にご負担いただく追加運賃のことです。

日本発旅程はシンガポールケロシン市場価格の平均に同期間の為替レートの平均を掛け合わせた価格が6,000円を下回った場合、本運賃を適用いたしません。 ANA HPより

サーチャージの歴史を振り返ります。
ANAが2005年2月1日、JALが2005年1月20日からサーチャージ導入を決めました。導入直後のシンガポールケロシン価格は53ドル、為替は110円で乗数は5,830円となりますので、やはりサーチャージ0は6,000円が目安と言うことになります。

次に、JALオセアニア行きサーチャージ片道の5年弱の推移です。
往復5万の時代がありました。特典使っても得した気分にならないですね。
最も高い時の乗数が1万~1.2万くらいです。

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表からケロシンとドルを抜き出し指数をグラフにしました。
2011年10月を100とした場合、2013年の途中から袂をわかれ円安(ドル高)、原油安が顕著になっています。この増減の水準が同じならサーチャージ価格に変動は生じませんが、円安(ドル高)以上に原油安の実態があるため価格が改定されていくことになります。

 

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廃止の次にくるものは

現在、シンガポールケロシンとドル円平均の乗数は、5,060円です。
上記表から考えると乗数1,000円でサーチャージ4,5000円の変動がありますから、往復8,000~10,000円の値下げが理論上は可能と言うことになります。現在のANA シドニー往復は146,000円程なので安くなればなるほどユーザーにとって良い話です。

では、可能かどうか。

まずサーチャージ価格は4ヶ月前の乗数で決められますので、すぐに改定は期待できません。加えて、変動に備え為替・原油共にヘッジしているので(例えばANAは2015年で共に80%以上をヘッジ)恩恵も数ヶ月後となります。
ANAの決算から引用した資料です、参考まで。

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また、ANAは(JALも含め)機材の投資拡大を計画しているので、簡単には値下げに踏み切れない事情もあります。相当な投資になりますので資金源は確保したいと強く思うでしょうし、一度値下げすると値上げは難しいですし。
計画についてはこちらに書いています。

このまま原油が30~40ドルで推移し、ドル円も110~115円で推移すればどうなるか? 結論は出ませんが、ケロシン、為替、そしてその乗数を注視していく必要があると思いました。 

補足ですが、ANAの原油・相場の見通しです。(決算から引用)

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原油(ケロシン)は今が底で上がっていくと見ています。2020年には乗数が125×85=10,625 となり、オセアニア片道のサーチャージ1万円以上の時代に戻ると予想しています。あくまで予想ですが。

また、サーチャージ価格の基準は、元々ドル建てで計算していたのを2015年4月から円建てで計算するようになりました。現在は乗数で計算していますが、元々は乗数ではなく、ケロシンの価格のみで計算していましたので、円安に伴い航空会社に優位になるように基準を巧みに変更しています。

さいごに

サーチャージが廃止になってユーザーとしては良いことですが、今後もケロシン価格や為替を見守る必要があります。余程為替や原油が変動しない限り運賃の値下げはないかと思いますが、その場合には他の要素に影響を与えますので、手放しでは喜べないですね。